脆弱性情報

Next.jsに深刻な脆弱性、認証不要でRCEの恐れ

人気Webフレームワーク「Next.js」に、認証なしでサーバーを乗っ取られる可能性がある重大な脆弱性が2件発見されました。AVIFファイル経由とWindows環境のパストラバーサルによるもので、早急なバージョンアップが必要です。

喜村 圭佑編集責任者更新 6

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Next.jsに深刻な脆弱性、認証不要でRCEの恐れ

THREAT GAUGE算出基準

IMPACT影響範囲9.0
URGENCY対応緊急度9.5
EXPLOIT悪用の容易さ8.5

認証不要のRCEで広範なWebアプリが対象

01 · Overview

ニュースの概要

Vercelは、人気のWebフレームワーク「Next.js」に存在する深刻度「Critical(緊急)」の脆弱性2件に対するセキュリティパッチをリリースしました。いずれも攻撃者がユーザー認証なしにリモートからサーバー上のコードを実行できる「RCE(リモートコード実行)」を許す危険なものです。

1件目は、特別に細工されたAVIF形式の画像ファイルを処理させることでRCEを引き起こせる脆弱性です。AVIF(AV1 Image File Format)は近年Webサイトで広く採用が進む次世代画像フォーマットで、Next.jsの画像最適化機能を利用しているサイトが攻撃対象になり得ます。

2件目は「CVE-2026-75604」として追跡されているWindowsファイルシステムを使用するサーバーに影響する「パストラバーサル」脆弱性です。パストラバーサルとは、本来アクセスを禁じられているディレクトリやファイルへ不正に到達する攻撃手法で、これを悪用することで同じくRCEが可能になります。

Next.jsはReactベースのWebアプリ開発フレームワークとして世界的に広く採用されており、日本国内でも多くの企業・サービスが利用しています。今回の脆弱性はどちらも認証が不要なため、インターネットに公開されているNext.js製サービスはすべてリスクにさらされる可能性があります。

Vercelはすでにセキュリティパッチを提供しています。Next.jsを利用している開発者・運用担当者は速やかに最新バージョンへのアップデートを実施してください。

深刻度
Critical(緊急)
影響
認証不要のリモートコード実行
CVE番号(Windows)
CVE-2026-75604
攻撃経路①
細工されたAVIF画像ファイル
攻撃経路②
Windowsでのパストラバーサル
対応状況
Vercelがパッチリリース済み

情報源: The Hacker News(2026年8月27日付)をもとに編集部が日本語で解説・加筆

02 · Analysis

詳細な原因解説

AVIF経由の脆弱性は、Next.jsが備える画像最適化(Image Optimization)機能が外部から受け取った画像ファイルを処理する際の検証ロジックに不備があることが根本原因と考えられます。AVIF形式はファイル構造が複雑で、パーサー(解析処理)の実装ミスがあると、細工されたデータによってメモリ破壊や任意コード実行が引き起こされるケースが知られています。

Windows環境でのパストラバーサル脆弱性(CVE-2026-75604)は、WindowsとLinux/macOSのファイルパス区切り文字の違い(Windowsはバックスラッシュ「\」、UNIX系はスラッシュ「/」)を正しく扱えていないことが原因と推定されます。Windows特有のパス表現を利用した入力を適切にサニタイズ(無害化)できず、ディレクトリ境界を越えたファイルへのアクセスや任意コード実行につながります。

いずれの脆弱性も「認証不要」である点が特に深刻です。通常、重大な機能を悪用するには正規のアカウントやセッションが必要ですが、今回は攻撃者が事前に何らかの認証情報を取得しなくても攻撃を完結できます。これはインターネット上に公開されたあらゆるNext.jsサービスが、不特定多数の攻撃者の標的になり得ることを意味します。

フレームワークレベルの脆弱性は、そのフレームワークを利用するすべてのアプリケーションに影響が波及するため、個別のアプリでの対策が困難です。開発者が自分のコードを修正しても問題は解決せず、フレームワーク本体のアップデートが唯一の抜本的対処となります。

03 · Action

今からできる主な対策

明日からすぐ

1週間以内

05 · Forecast

今後起こりうる展開と対策

Substitute:画像処理を外部委託する

AVIF処理をNext.js内部で行わず、専用の画像CDNサービスに置き換えることはできるか?

Cloudinary・ImageKitといった画像最適化専用のSaaSに処理を委託することで、Next.js本体の脆弱性による直接的なリスクを分離できます。フレームワークのアップデートを待たずとも、攻撃対象となる処理そのものをアプリから切り離すという「Substitute(代替)」の発想は、緊急対応として非常に有効です。画像配信をCDNで完結させればサーバー側でのパース処理が不要となり、類似の脆弱性が将来発生した際にも影響を受けにくくなります。

Eliminate:使わない機能を無効化する

AVIFサポートや画像最適化機能が不要なら、完全に無効化することで攻撃面を削減できるか?

Next.jsのnext.config.jsでは画像フォーマットを明示的に制限できます。AVIFを利用していないプロジェクトであれば、設定からAVIFを除外するだけで当該攻撃経路を排除できます。「使っていない機能を消す」というEliminate(削除)の原則は、アップデートの社内承認に時間がかかる企業環境での現実的な緩和策です。攻撃可能な機能を最小化することは「攻撃面の縮小(Attack Surface Reduction)」と呼ばれ、セキュリティのベストプラクティスです。

Adapt:CI/CDパイプラインに脆弱性検知を組み込む

今回の対応を機に、フレームワーク更新を自動化・仕組み化するにはどうすれば良いか?

DependabotやRenovateといったツールをGitHubリポジトリに連携することで、Next.jsを含む依存パッケージに新しいセキュリティパッチが出た際に自動でPull Requestが作成されます。今回のような緊急パッチへの対応速度を組織として高めるためには、「検知→PR作成→テスト→マージ」の流れを自動化するAdapt(適応)が有効です。手動での定期確認に頼るよりも、漏れなく迅速に対応できる体制を構築できます。

フレームワーク依存のリスク構造を可視化する

Next.jsへの依存が深まるほど、一つの脆弱性の影響範囲はどう広がるか?

システム思考の観点から見ると、Next.jsのような広く普及したフレームワークはそれ自体が「単一障害点」に近い役割を持ちます。利用者が増えるほど攻撃者にとっての価値が高まり、発見される脆弱性の影響も指数的に拡大します。これは「普及→依存深化→攻撃価値増大→脆弱性リスク増大」という強化フィードバックループです。組織はフレームワーク選定時から依存度と更新コストを設計に織り込む必要があります。

パッチ適用の遅延が生む負のループ

「テストが通らないから更新できない」という状況はどのように悪化していくか?

多くの組織でパッチ適用が遅れる理由は「アップデートすると既存機能が壊れるかもしれない」という恐れです。しかしテストが不十分なままだとアップデートが恐ろしくなり、さらに更新が遅れてレガシー化が進むという負のフィードバックループが生じます。この連鎖を断ち切るには、ステージング環境での自動テストカバレッジを高め、「更新しやすい状態を維持する」こと自体を継続的な投資として位置づける発想が重要です。

Windows環境が見落とされやすい構造的理由

なぜWindowsでのNext.js稼働は盲点になりがちで、どうすれば組織的に対処できるか?

Next.jsはLinuxベースのクラウド環境での利用が主流とされており、公式ドキュメントもLinuxを前提とした説明が多い傾向があります。そのためWindows上での動作検証が後回しになりがちで、開発者のローカル環境やオンプレミスWindowsサーバーでの稼働状況が把握されていないケースがあります。資産管理の粒度をOS・ランタイム・フレームワークバージョンまで細かく記録するCMDB(構成管理データベース)の整備が、こうした盲点をなくす構造的な解決策となります。

Next.js脆弱性への実務的な防御アプローチ

最優先の対策はNext.js本体を最新のパッチ適用済みバージョンへアップデートすることです。アップデートが社内承認フロー等で即座に実施できない場合は、WAFによる不審リクエストのブロックとAVIFフォーマットの一時無効化を組み合わせることで、被害リスクを暫定的に低減できます。

中長期的には、DependabotなどのOSSを活用して依存パッケージの自動更新Pull Requestを生成する仕組みを整えましょう。CI/CDパイプラインに自動テストを組み込み、「更新コストが低い状態」を維持することが、今後の脆弱性対応全般のスピードを高めます。

また、Windows環境でNext.jsを稼働させているサーバーを組織内で把握するため、資産管理ツールを活用して稼働OSとフレームワークバージョンを定期的に棚卸しする運用を導入することをお勧めします。クラウドとオンプレミスを混在させている企業では、特にWindowsオンプレミス環境が見落とされやすいため注意が必要です。

06 · AI Prompt

AI対策プロンプト

あなたは熟練したセキュリティエンジニアです。私たちの組織がNext.jsフレームワークを使用したWebアプリケーションを運用しており、今回発覚したCritical脆弱性(AVIF処理によるRCEおよびCVE-2026-75604のWindowsパストラバーサル)への対応を支援してください。 【組織情報】 - 組織の規模・種類: [組織規模] - Next.jsの利用用途: [利用用途] - 稼働環境のOS: [稼働OS] - 現在のNext.jsバージョン: [現在バージョン] 以下の観点で、優先度付きの具体的な対応手順を提案してください。 1. 即時実施すべき緊急緩和策 2. 正式パッチ適用の手順と注意点 3. 再発防止のための仕組み化 提案は非技術者の経営層にも説明できるよう、専門用語には簡単な注釈を添えてください。

プロンプトのカスタマイズ

以下を入力すると、上のプロンプトに反映されます。

組織の従業員規模や業種(例: 従業員50名のSaaS企業、官公庁など)

Next.jsを何のサービスに使っているか

Next.jsを動かしているサーバーのOS

現在利用中のNext.jsのバージョン番号

キーワード

  • Next.js
  • 脆弱性
  • リモートコード実行
  • AVIF
  • パストラバーサル

SOURCES · 参考情報源