ServiceNow AIプラットフォームCVE-2026-6875が野生悪用中 — CVSS 9.5で未認証RCE
ServiceNow AIプラットフォームのサンドボックスエスケープ脆弱性(CVE-2026-6875、CVSS 9.5)が野生で悪用を確認。未認証の任意コード実行が可能で、企業のITSM基盤が標的に。
喜村 圭佑(編集責任者)更新 約5分

THREAT GAUGE3つの指標でこのインシデントの脅威度を評価しています。IMPACT(影響範囲)は被害の大きさ、URGENCY(対応緊急度)は対応までに残された時間の短さ、EXPLOIT(悪用の容易さ)は攻撃者が実際に悪用できる容易さを表します。算出基準
“CVSS 9.5・野生悪用確認。ITSM基盤経由の情報流出リスクが高い。”
01 · Overview
ニュースの概要
2026年7月21日、脅威インテリジェンス企業Defused Cyberは、ServiceNow AIプラットフォームに存在するサンドボックスエスケープ脆弱性CVE-2026-6875(CVSS 9.5)が実際に悪用されていることを報告した。パッチは提供済みだが、世界中の企業のITSM(ITサービス管理)やNow AIエージェント基盤が標的となっている。
CVE-2026-6875はServiceNow AIプラットフォーム内のサンドボックス機構の不備に起因し、未認証ユーザーが任意のコードをサーバー上で実行できる脆弱性だ。ServiceNowは現代の企業ITにおいてITSM・ITSM・HR管理・カスタマーサービスなど幅広い業務プロセスを担っており、企業の機密情報・従業員データへのアクセス経路となりうる。
The Hacker Newsによれば、Defused CyberがSNSで野生での悪用を観測していると報告。ServiceNowはパッチを提供済みであることを確認しているが、大規模エンタープライズでのパッチ適用には社内変更管理プロセスが伴うため、適用までに時間がかかる組織が多い。
AIプラットフォームを狙った脆弱性は2026年に入り急増している傾向がある。ServiceNow Now AIやLangflow、Comfy UIなど、AI機能を組み込んだプラットフォームは攻撃者にとって「AI基盤を乗っ取ることでデータとインフラを同時掌握できる」標的として魅力的になっている。
- CVE番号
- CVE-2026-6875
- CVSSスコア
- 9.5 (Critical)
- 脆弱性種別
- サンドボックスエスケープ→任意コード実行
- 認証要否
- 不要(未認証攻撃可能)
- 野生悪用
- 確認済み(Defused Cyber)
- パッチ
- 提供済み
The Hacker NewsおよびDefused Cyberの報告要約に基づく。本文全文転載なし。ServiceNow公式アドバイザリを一次情報として確認のこと。
02 · Analysis
詳細な原因解説
サンドボックスエスケープとは、本来隔離された実行環境(サンドボックス)の境界を突破して、ホストシステム上で任意の操作を行う攻撃手法だ。ServiceNow AIプラットフォームでは、ユーザー定義のスクリプト・AIエージェントのコードをサンドボックス内で安全に実行する機構が提供されているが、CVE-2026-6875はその境界に欠陥があったことを示している。
未認証での悪用が可能であるという点は深刻だ。通常、ServiceNowのような企業向けSaaSはSSOやMFAで保護されているが、特定のAPIエンドポイントが認証チェックを回避できる状態であった可能性がある。一度エスケープに成功した攻撃者はServiceNowの実行コンテキストでコマンドを実行し、データベースへのアクセス・内部ネットワークへのピボットが可能になる。
ServiceNow環境にはITSMチケット・変更管理記録・HR情報・IT資産台帳など機密度の高いビジネスデータが蓄積される。侵害成功時の被害はシステム侵害にとどまらず、個人情報保護法やGDPRの対象となる個人データの漏洩、M&A・訴訟関連の機密情報流出まで及びうる。
2026年に入りAIエージェント対応SaaSを狙う脆弱性が増加している背景には、企業がAIエージェントに多くのデータとシステムアクセス権を付与するトレンドがある。AIエージェントが持つ権限は従来のサービスアカウントより広範なことが多く、AIプラットフォームへの侵害は「最高権限のサービスアカウントを乗っ取ること」に近い意味を持つ。
03 · Action
今からできる主な対策
明日からすぐ
1週間以内
05 · Forecast
今後起こりうる展開と対策複数の思考フレームワークを用いて、今後起こりうる展開と有効な対策を整理したセクションです。
SCAMPER:AIプラットフォーム侵害の悪用シナリオ
Q. 攻撃者はServiceNow侵害をどのように転用・拡大するか?
【Adapt】ServiceNowは多くの組織でActive Directory・Azure AD・Salesforceなど他システムとのインテグレーションハブとして機能する。侵害したServiceNowを経由して連携システム(HR・CRM・Active Directory)へ横断的に侵入するという多段攻撃が現実的だ。【Combine】インサイダー脅威と組み合わせた場合、内部の不満を持つ従業員とServiceNow RCEを掛け合わせることで、完全な管理者権限の奪取と痕跡消去が可能になる。【Substitute】AIエージェントの実行コンテキストを攻撃者のコード実行に置き換え、自動化されたビジネスフロー(承認ワークフロー・発注処理等)を密かに改ざんする「ビジネスロジックハイジャック」が懸念される。
システム思考:AIエージェント基盤への攻撃の連鎖リスク
Q. AIエージェント統合基盤を侵害することが組織全体に与える連鎖リスクとは?
AIエージェントは「実行者」であり、人間に代わってメール送信・承認・購買発注・データ転送を行う権限を持つ。ServiceNow AIの侵害は人間の管理者権限を奪うことと同義のケースがある。連鎖リスクとして:1)不正な調達承認や送金指示が自動実行される「AI BEC(ビジネスメール詐欺)」、2)HR AIエージェント経由の従業員個人情報・給与データへのアクセス、3)変更管理AIが不正なシステム変更を自動承認するサプライチェーン汚染 ── が想定される。「AIを信頼しすぎること」が新世代の攻撃ベクターとなっている。
今すぐ実装できる防御策
ServiceNow SaaSを利用している場合、まずHi Service Portalのセキュリティアドバイザリ通知設定を有効にし、緊急パッチのアナウンスを即座に受け取れる体制を整える。自社のインスタンスがパッチ適用済みかどうかをバージョン番号で確認し、未適用なら緊急変更として社内プロセスを開始する。
Now AIエージェントが有効な場合は、エージェントが持つ権限スコープを即時レビューする。「フルアクセス」や「管理者権限」を持つエージェントが存在する場合は業務上不要な権限を削除する。AIエージェントを「信頼できる人間と同じ権限を与えるもの」と認識を改め、最小権限の原則を徹底する。
SOC(Security Operations Center)チームがあれば、ServiceNow向けのDETECT規則を強化し、異常な大量データ参照・スクリプト実行・外部API呼び出しをアラート対象にする。UEBA(ユーザー行動分析)ツールでAIエージェントのベースライン行動プロファイルを作成し、逸脱した場合に通知する仕組みを構築する。
06 · AI Prompt
AI対策プロンプトこのニュースを踏まえて自組織の対策を検討する際に、そのままAIアシスタントへ入力できるプロンプトのテンプレートです。
あなたは[組織名]の情報セキュリティ担当者で、[業種]を営んでいます。ServiceNowの[利用状況:例「ITSMチケット管理・変更管理・Now AIエージェントを利用、インスタンスはSaaS版でユーザー数1,000名規模」]を運用しています。 CVE-2026-6875(ServiceNow AIプラットフォームのサンドボックスエスケープ→RCE脆弱性、CVSS 9.5)への対応として以下を実施してください: 1. 現在のServiceNowインスタンスバージョンと当該パッチの適用状況を確認する手順 2. 侵害が発生していないか確認するための初動ログ分析手順(具体的なログ名・確認ポイント含む) 3. Now AIエージェントが利用するサービスアカウントの権限を最小化するための具体的な設定手順 4. ServiceNow管理者向けの緊急パッチ適用変更申請テンプレート(緊急度・影響範囲・ロールバック計画を含む) 5. 経営層への簡潔なリスク説明(非技術者向け、200字以内で)
キーワード
- CVE-2026-6875
- ServiceNow
- サンドボックスエスケープ
- AIプラットフォーム脆弱性
- ITSM脆弱性
SOURCES · 参考情報源
- ServiceNow Security Advisory ↗— ServiceNow, Inc.
- Critical ServiceNow AI Platform Flaw Exploited for Unauthenticated Code Execution ↗— The Hacker News



